2024年11月発売、ふくおか

私の5冊目となる本は
地元、福岡を題材にしたレシピ本です。

福岡と言えば、なご当地おやつ、ご当地グルメを
私なりに再現したレシピと
福岡の特産品を使った料理やお菓子のレシピ
合わせて40個、載せました。

別冊の英訳版には
ボーナストラックとして本編に載っていないレシピが2つあります。

ここでは
本には書ききれなかったエピソードなどを書いていこうと思っています。


41. Curry Roux

英語版ボーナストラック、カレールゥ。
これは、特に福岡とは関係がないんですが
きっと、英語版を手に取ってくれるであろう海外の人にとってはとても興味深いだろうと思って載せました。

去年、パンデミック後に4年ぶりに海外へ行った時
日本食がとても人気なことにびっくりしました。
しかも、寿司や天ぷらといった、日本食だけど私たちが日常的に食べるわけではないようなものではなく
もっと日常的な日本食が!

たこ焼き、お好み焼き、焼きそば、うどん、ラーメン、蕎麦、、、
そしてカレーライス!

確かに日本のカレーは
インドやスリランカなどのスパイスカレーとも全然違うし
日本独自のもののような気がします。
海外に住む友人は
日本からのお土産にカレールゥやレトルトカレーを買って帰ると
とても喜ばれると言っていました。

私たちが、普段スーパーで
当たり前に目にしているカレールゥ。
いろんなメーカーの、いろんな種類のものが簡単に手に入るので
日本人で、わざわざカレールゥを手作りしようなんて人は
いないだろうと思います。
でも、作れるんです。しかも、とってもおいしく。

カレールゥのレシピを載せようと決めてから
スーパーに通っては、市販のカレールゥの箱の裏側をチェックし
どんなものが入っているのかを私なりに調べました。
そして完成した、私的ベストカレールゥ。

と言っても
使うカレー粉によって風味や辛さの加減も変わってくるし
何で甘味をつけるかでもまた、変わります。
でもそれが手づくりの面白いところ。
私も、試作するたびに違うメーカーのカレー粉を使ったりして、違いを楽しんでいました。

ぜひみなさんにも一度作ってほしいカレールゥ。
ですが、英語は苦手、、、という方もいらっしゃると思いますので
ここに、作り方の日本語訳だけ載せておきます。
参考にしてくださいね。

このカレールゥは
私のベイキングレッスンでも時々使う、ブラウニーの型(ステンレス製、14×21cm)を使うと便利です。
レシピ1回分で、その型のちょうど半分の量のルゥができます。
型にはオーブンシートかラップを敷いておいてください。

作り方

①フライパンでバターを溶かす。
②油、小麦粉を入れ、よく混ぜる。
③弱火で約10分、焦げないよう時々混ぜながら、ミルクティー色になるまで加熱する。
④Bを加え、よく混ぜる。
⑤ラップ(オーブンシート)を敷いた型に詰めるようにして入れる。冷やす。

印刷してしまった後に気がついたんですが、、、
材料A をどこで加えるのかの表記が抜けています、、、
しっかりチェックしたつもりなのに印刷後に見つけてしまうミス。
すみません。
作り方③と④の間にA を入れて混ぜてください。

冷えたら固まるので、8個にカットします。
1キューブで1人前のカレーが作れます。
カレーの作り方も英語のレシピを載せていますが
市販のカレールゥで作る時と同じように作るだけです。具も自由。
ぜひいろんなカレーを楽しんでくださいね!

ちなみに
小麦粉の代わりに米粉を使うこともできます。(検証済み)
小麦粉と米粉、半々でも美味しくできます。

レシピの分量で型の半分の量なので
倍量で作れば、ちょうど型ひとつ分できます。
そのほうが作りやすいという方はぜひそれで。
出来上がったルゥを16等分すればいいだけです。

日持ちに関しては、私の体で実験!笑
冷蔵保存で1ヶ月ほど経ったものを使ってみて特に問題なかったですが
すぐに使わない分は
冷凍保存しておくと安心かと思います。
これも検証済みで、冷凍保存しておいたルゥでも
カレー美味しくできました。

何か質問があればいつでも聞いてくださいね〜!


42. Lime Kosho

もうひとつのボーナストラックはライム胡椒。

本編には
柚子胡椒を使ったレシピが4つ出てきます。
日本では、最近は九州以外でもわりと手に入りやすくなった柚子胡椒ですが
やはり海外ではまだ特別な食材で
せっかく英語のレシピが手元にあっても、柚子胡椒がない!となってしまうと思って
柚子胡椒そのもののレシピを載せようと思ったんです。

が!

そもそも柚子が手に入りにくいのではないか、、、と思い
アメリカでも簡単に手に入るライムで
柚子胡椒と同じように作れないかな、と試してみたところ
問題なくおいしく作れたので
このレシピを載せたというわけです。

とはいえ、柚子とライムでは香りが全く違うので
日本の皆さんももしきれいなライムが手に入ったりしたら試してみてください。
もちろん、それ以外の柑橘でも
できるんじゃないかと思います。


1. マンハッタン

マンハッタンって
ほんとに九州以外の人って知らないんですね〜
周りのお友達に聞いても、みんな知らなーいって。笑
確かに、大人になってからずっと関西に住んでいたから
食べる機会も目にする機会もなかったのかも。

これ、特別なお店に行って買うもんではなく
普通にスーパーやコンビニの菓子パンコーナーに売ってるんです。
パンのメーカーで“ヤマザキ“とか“Pasco” とかあるでしょ、それと同じような感じで“リョーユー”というメーカーが
九州にはあるんです。
そのリョーユーが作っている、マンハッタン。

この本を作ると決めた時に、マンハッタンは載せたいな〜とすぐにリストに挙がったんですが
久しぶりに買って食べてみると、、、

正直、どうして子供の頃これが好きだったのか、わからない。笑
いちおうドーナッツなんですけどね〜固いんですよ。
食べる時“ガリガリ” いう感じ。
でもこのガリガリにチョコレートがかかっているのが、子供にとっては夢のようなおいしいおやつだったんですね〜。

いや、もしかしたら
昔のと今のは違うのか!?
何年も食べていなかったので、途中で変わったのかどうかはわかりません。
が、チャレンジしてみたい方は
最近、博多駅でも売っているのを見かけましたのでぜひ。

この本に載せたレシピは
本物のマンハッタンに寄せたのは形だけ。
生地の食感は、実際のものよりソフトで、でもオールドファッションドーナッツ的な雰囲気は出したくて
考えたものです。
手間がかかりそうですが、やってみたらすごく簡単。

バターを溶かしてどんどん混ぜていくだけなのであっという間です。

レシピのメモにも書いていますが
作りたては生地が柔らかくて成形しにくいので冷蔵庫で冷やすんですが
逆に冷やしすぎると固まってきちゃうので
輪っかにしようとした時にひび割れてしまいます。
適度な固さで成形するのが、きれいな形に仕上げるコツです。
冷蔵庫に入れたら、生地の固さをチェックしながら整形のタイミングを見計らってください。
(もし固くなりすぎたらしばらく室温に出しておけばいいだけのことなんですが)

2. あごすけ

変わった名前ですが
説明に書いている通り、大判焼きのことです。

これも、福岡の本を作ろうと思った時に
真っ先にリストに挙がったものです。

久留米出身の某女優さんも
学生の頃よく学校帰りに食べていました〜とテレビで紹介していた、あごすけ。笑

本に載せるにあたり
なんとか実物そのものの形に仕上げられないかと
フライパンにセルクルを置いて作ってみたり
いろいろ試しはしたんですが
やっぱりこの形は専用の焼き型がないと無理でした〜そりゃそうだ!

デパ地下なんかでね、作っているところがパネル越しに見れますよね〜
なので、どうやって作るかは
だいたいみなさん想像できると思いますが。

なので今回のレシピは
形には拘らず、味や食感をあごすけに近いものに仕上げようと
生地の配合を工夫しました。

あごすけの生地、とても薄くてしっとりしていておいしいんです。
たまにこういうお饅頭、皮が固かったりパサパサしていたりしません?
全然そんなことないの!
やわらか〜くて、ふにゃふにゃ〜破れそうで破れない〜という感じ。
それを再現したかった!

ポイントは作り方①でしっかり混ぜること。
これをやるのとやらないので全然違ってきます。
あと、⑤のラップも
ただ折り目をつけたいだけでなく、しばらく包んで置いておくことでしっとり感も増しますよ。

3. 白菜まん

白菜まんのレシピを載せようと決めてから
まず試作にとりかかったのは、皮(生地)です。

こういう肉まんのようなお饅頭の皮って
大きく分けて2種類の作り方があるんです。

ひとつはイーストを使って発酵させて作るもの。
もうひとつはもっと手軽に、ベーキングパウダーで膨らませるもの。

どちらもそれぞれおいしくて
どっちを本に載せようか、考えながら
配合を変えてみたりもして何度も生地だけ作ってみたんです。
肉まんのおいしいお店が、レシピを公開していたりもして
そういうのも参考にしようと見てみると
だいたいそういうとこのはイーストで発酵させた生地。
うーん、やっぱりイースト生地か、、、でもお家で作りやすいのはベーキングパウダーかも、、、

イーストの生地の方が断然おいしい!だったら
迷わずそちらのレシピを採用するところなんですが
ベーキングパウダーのものもふんわりしていて、簡単なのにおいしいんですよね〜
なので、迷う。笑

というわけで、いろいろ試行錯誤した結果
両方使うというレシピになりました。
両方の良いとこどりです。

生地を甘くする必要はあまり無いんですが、
イーストにしっかり仕事してもらうためにお砂糖も使います。
そして、せいろの中で二次発酵させるというのが
ラップなどしなくていいのでちょうどいいんです。

せいろ持ってないわ〜という方も多いかもしれませんが
せいろって、めんどくさそうだけど
使い始めると便利なんですよね〜。
これを機にせいろデビューしてみるのもいいんじゃないでしょうか?
最近は、市販の肉まんもとてもおいしいのが売られていますが
レンジでチンより、せいろで蒸す方が断然おいしくなる気がしますしね。

本では白菜まんとしてご紹介していますが
皮の作り方さえマスターすれば
具はいろいろ、自由に変えて楽しんでください。


4. かしわめし

おうどん屋さんに行くと、必ずメニューにあるかしわめし。

鶏のことを“かしわ” と呼ぶのでこの名前です。
鶏肉が入っていること以外に決まりはないのか、お店によって
にんじんが入っていたりいなかったり、ごぼうが入っていたりいなかったり。
味付けも、店によって違います。
あと、お茶碗に盛られて出てくることよりも
おにぎりになっていることの方が多いです。

おうどん屋さんだけでなく
スーパーや道の駅のお惣菜コーナーにもだいたい並んでいるし
(そして並んでいたらつい買ってしまう)
お家で簡単に作れるかしわめしのもともたくさん売られています。

私のレシピは
生姜を多めに入れていて(私の好み)
それを胡麻油で炒める、というのがポイントです。
香ばしい風味が加わるのと、油分がお米をうっすらとコーティングしてくれて
つやっと仕上がるような気がします。

お肉を小さめに切った方が、食べやすくご飯とも馴染みがいいと思います。
慣れてきたら、お醤油や味醂、砂糖の分量は好みで調整していただければいいですが
なんとなく、甘めなのが福岡っぽ味かな〜と思います。


5. ごぼ天うどん

福岡の人は、ごぼ天うどんに関してはかなりうるさいんじゃないかな、と思います。笑

うるさいというか、自分好みのごぼ天うどんというのが
それぞれにあるんです。
お店によって、ごぼ天の形、揚げ方、大きさ、食感、などが全然違うので
いろんなお店のものを食べてみるのも楽しいです。

私は、ごぼ天がうどんのつゆに浸ってふにゃふにゃになってしまうのが好きじゃないので
必ず別皿で、と注文します。
逆に母は、天ぷらに出汁がしみてふにゃ〜となってるのがおいしいやんと言って
別皿にはしません。
こちらから言わずとも、乗せるか別皿か、最初から選べるようになっているお店もあります。

天ぷらの作り方は、地方による違いはあまりないと思うんですが
カリッとサクッとした食感をおうちでも簡単に出せる方法として
このレシピには炭酸水を使う衣を載せました。
天ぷらというか、いわゆる“フリッター” の衣のような感じですが
とてもおいしくできます。

なかなかお家で上手に天ぷら揚げれないのよね、という方はぜひ炭酸水お試しください。

実家からいちばん近いうどん屋さんに“土俵うどん“ というお店があって
両親も好きでいつも“やっぱ土俵はおいしいね“ と言っています。
でもここ、私たちは食べ慣れているけれど
他県の人が初めて食べたら、きっとびっくりするんじゃないかというくらい
太くてやわやわの麺が出てきます。
何これ、のびてんじゃないの?と言いたくなるかもしれませんが、これで正解。笑

そして、うどんもおいしいけれど
ここのとり天がすごくおいしくて
いつも、うどんも食べたいけどとり天も食べたいしかしわ飯も食べたい、、、と
迷ってしまうのです。

6. 焼きとり

焼きとりの街、久留米。
久留米市は、私の地元、大木町の隣の街です。
大木町で育った私から見ると久留米は大都会で
中学生の頃などは、久留米に買い物に行く、というのは
都会へ出ていく一大インベントでした。

なのでもちろん、昔から焼きとりの街として認識していた訳ではなく
大人になってから知りました。
でも、言われてみれば焼き鳥屋さん多いかも、、、みたいな。

この本を作ると決めてから
久留米の焼き鳥屋さんにもっと行ってみたい!と思い
帰省のたびに、両親と一緒に行くようになりました。
いったい、何が久留米スタイルなのか、探ろうと。

結局、そのスタイルはお店によっていろいろだし
まだまだ行ったことのないお店も山ほどあるので答えは分かりませんが、笑
それでも、仕事帰りや友人と会うときに
“じゃあ焼き鳥でも行く?“ となり
ビールと焼き鳥でダラダラしゃべるような、そんな文化があるということは
いいことだなぁ〜と。


特徴のひとつとして挙げられるのは
鶏以外のものが多いことですかね〜。

豚も牛も野菜も
なんでも串に刺さって焼いてある、というかんじ。

炭火で焼かれていると、やっぱおいしいんですよね〜
そしてあの焼いている時の香りも美味しさのひとつの要素といいますか
あれはやはりお家では無理だな〜焼き鳥屋さんの醍醐味だと思います。
なので、おうち焼き鳥は
みんなでワイワイ楽しめるようなものを作って楽しみましょう。

豚バラチーズ巻きは
あまりたくさんチーズを入れすぎると
焼いている間に溶けてどんどん流れ出てしまうので、入れすぎ注意。
もしくは両サイドからチーズが出てこないような巻き方を工夫してやってみてください。
黒胡椒しっかりめがおいしいです。

ベーコンえのき巻きは
えのきにまでしっかり火が通ってほしいので
あまりどさっと束のまま巻かないことがポイント。

つくねはほんとお店によってタレの味付けも柔らかさもいろいろですが
私は、甘めのタレで焼いたものが好きなので
そんな私好みのつくねに仕上げています。

鶏ももはお酒と塩を揉み込む、というひと手間で
しっとりおいしく仕上がりますのでぜひ。

あと、欠かせないのがキャベツ。
たっぷり作って、どん!とテーブルの真ん中に置いてください。

7. 鉄鍋ぎょうざ

餃子のお店も、焼き鳥と同じく
なぜか久留米に多いんです。

久留米というか、福岡市内も多いですし
戦後に満州から入ってきた人たちによってこの辺りで広まった、という説もあるようですが
屋台文化のある博多で提供されるようになり、定着したんでしょうかね〜。

と言っても
餃子の街、と呼ばれる場所は
日本にもいくつかあるので、決して福岡だけではありません。
じゃあ何が福岡の餃子の特徴かと言われると、、、
ひとくちサイズ、ということと
鉄鍋で焼かれて鉄鍋のまま運んでこられる、ということでしょうか。
(でもこれも、お店によって様々。全部のお店が鉄鍋というわけではない)

もうひとつ、私が食べたことのある久留米の餃子の印象では
肉感があまりなく、野菜多めのあっさりした感じのものが多いです。
久留米の餃子といえばここ、という昔から親しまれるお店に行ったときに
そこの餃子、ほんとにおいしかったんですが
この具材、なんだろう、、、と
お肉ではない感じだし、色は白っぽくてキャベツでもなさそう、、、
なんだかトロッとしてるし甘味もあってすごくおいしい、、、

もちろんお店のレシピはわからないですが
これは、、、玉ねぎなんじゃないか?というのが私の答え。
そう思ってから、玉ねぎたっぷりの餃子を試作してこのレシピが出来上がりました。

どうやったらあのトロッとした感じが出せるかな、と
玉ねぎを事前にレンジで加熱したりといくつかの思いつく方法を試しましたが
最終的に、レシピのやり方に行きつきました。

あと、皮ですね。
これも、市販のものだと
久留米の餃子にしては大きすぎるので、手作りするしかないのです。
とてもシンプルな生地ですが、しっかりこねることで
とても伸びの良い生地に仕上がります。
伸びが良いと、包んでいるときにやぶれにくいんです。
作りたての生地は、成形時に水を使わなくても生地同士がくっつくので
小さくて面倒そうですが、どんどん成形できちゃいますよ。

意外とやってみると簡単な餃子作り。
でもやっぱりね〜福岡に行く機会があったら
餃子屋さんで、もしくは屋台で、その雰囲気味わってみてください!


8. 水炊き

福岡の鍋料理といえば
水炊きかもつ鍋ですね〜。

個人的にもつ鍋は苦手なので、笑
本には水炊きを載せました。

本格的な水炊きは
丸鶏を使ってじっくりコトコト数時間、ととても手間のかかるものですので
ここではお家でも簡単に作れる方法をご紹介。
これでもしっかりお出汁を感じられます。
おいしいだけでなく、こうして骨付きのものを煮込んで作るスープって
栄養満点だってこと、ご存知ですか?
栄養成分が、お肉だけでなく骨にも含まれていて
それがじっくりスープに溶け出すので、それを飲むことで
栄養成分丸ごと取り入れられるんだそうです。(一時期、ボーンブロススープって、話題になりましたよね、あれです)

時間のある休日や
たまたまスーパーでお安く骨付きの部位が手に入る時などに
コトコト煮ておいて
もしその日お鍋の気分でなければスープを冷凍しておけば
いつでも楽しめます。

そしてこのページの写真。
友人のお店「STOCK」で撮影させてもらったんです。
円町駅近く、大将軍で友人夫婦が営むお店なんですが、日本各地から集められた器が並んでいます。
時々、営業後や休みの日にお邪魔して一緒にご飯を食べたりするんですが
その時出てくる器が、どれも素敵なんです。
お料理を盛っている大皿も、取り分け用の小皿も、テーブルに用意された箸置きも。
そして日本酒をいただくカップやお猪口、はたまたワインをいただく時のグラスも。
お花や植物を上手にを飾っている花瓶まで。
ここにご飯を食べにくると
あ〜やあっぱ器ひとつで全然違うな〜って思うんです。

36ページの写真も
同じときにここで撮影させてもらったんですが
撮影用に特別に用意してもらったわけではなく
彼女たちが普段使いしているものに料理を乗せて、食べる前にちょっと撮っただけ、という写真なんですよ。
温かさを感じる器たちです。




9. せいろ蒸し

帰省するとよく父が
“せっかく帰省してきてるしせいろ蒸しでも食べに行く?“ と
言っていました。
そう、たまに食べるご馳走です。

せいろ蒸し、うなぎ、と言えば
福岡県柳川市。
私の地元、大木町は柳川の隣の街なんですが
おばあちゃんの家が柳川だったし
そのおばあちゃんちの近くにある高校に通っていたので
柳川はしょっちゅう行っていた、何かと思い出のある場所。
今でもたくさんの鰻屋さんがあります。

昔から、鰻自体は特に大好物というわけではなかった私ですが
せいろ蒸しは別!
この、タレが染み込んがご飯がたまらなくおいしいのです。
でも、大人になってから気がつきましたが
だからと言ってタレだけではこの旨味は出ないんですね〜香ばしく焼いた鰻を乗せて蒸すからこその
このおいしさ。

この本を作ろうと思ったときに
このせいろ蒸しも真っ先に思いついたメニューだったんですが
このおいしさを家で再現するなんて無理じゃん、と
載せるのは諦めようとしていました。
うーん、、でも、こういう郷土料理があるんだよ、というのは紹介したい。
どうしようかと考えた末、
“ うなぎの蒲焼は市販のものを使う“ という、レシピ本的にありかしら?笑と思うレシピに
なりました。
市販のものでも
トースターでこんがり焼くと、なかなかの良い香りがします。
(そもそも市販ってある?という声も聞こえてきそうですが、、、笑 地元では、わりと普通にスーパーのお惣菜のところに並んでいます)

そして肝心のご飯ですが
これ、炊き込みご飯にした方が、しっかりと味の染みたご飯になるかな、とか
いろいろ試しましたが
結局、レシピのやり方がいちばんいい、という結論。

もちろん、お店で食べるせいろ蒸しには到底かないませんが
これはこれでなかなかいけます。
もっとお手軽に、秋刀魚の蒲焼缶などでアレンジもまた良き。

もし福岡に行く機会があってせっかくなので鰻食べたいね、となったら
おすすめなのは
うなぎの原田さん、あと、柳川ではなく久留米ですが富松さん。


10. スイートポテト

ロイヤルのスイートポテトは
福岡に行ったことのある方なら、空港や博多駅で見たことがあるだろう定番お土産のひとつ。

なので、ロイヤルを“スイートポテトの会社“ と認識している人、多いと思いますが
パン屋さんがあったんですよね〜ロイヤルの。
(去年か一昨年くらいに、無くなっちゃったんですが、、)
ロイヤルのイングリッシュマフィンが昔から大好きで
博多駅で時間がある時はいつも寄っていたんです。
イングリッシュマフィン以外にも、素朴で懐かしい〜でも他のパン屋さんにあまりないラインナップが独特だったんですよね。

スイートポテトも
博多駅のお店に行くと
お土産もんとして定番の箱に入ったものと
さっき焼きました〜みたいなフレッシュなものと両方売られていて
それもまた、博多駅での楽しみのひとつでした。

スイートポテトは
日本では定番のおやつでもありますが
みなさんそれぞれ、作るときはこのレシピ、と
決めているものがあるんでしょうか?

お菓子作りはレシピの配合がとても大事ですが
スイートポテトに関しては、そうでもないな、というのが正直なところ。笑
だって、その時使うさつまいもによって甘味も食感も全然違うからです。
最近はさつまいもも種類が増えて
種類ごとの特徴(しっとり系とか、ホクホク系とか)を知っていて買っても
あれ、これ思ってたのと違うな、、、ということ、ありません?
どんな食感なのかが、外側の見た目で判断できないですからね〜なかなか思っている通りのお芋を選んで買うというのは難しいなと感じます。

だからこそですよ、とりあえずお芋を加熱してみて
食べてみてから
お砂糖入れるか入れないか、入れるならどれくらいか
生クリームやバターはどれくらい入れるか(柔らかさの調整)を決めても大丈夫な
スイートポテトのようなお菓子は
お家で作るのにぴったりです。

ぜひ、分量をきちんと守ることよりも
味を見て決める、というふうにして作ってみてください。

ちなみに、ロイヤルさんのホームページで
スイートポテト作りに対するこだわりを読んでみると
次に福岡行ったら必ず買いたい!ときっと思いますよ。

福岡のご当地グルメ

ここまでの10個のレシピは
“福岡といえば”なものを私なりに再現したレシピたちでした。

ほんとは、載せたいものが他にもいろいろ。
実はできれば載せたかったもののひとつに博多ラーメンがありますが
流石にあの豚骨ラーメンをお家で作るのは、、、と諦めました。笑
ヘタなレシピ作っても、ラーメン好きな人たちに“これは博多ラーメンと呼べない!!“と
突っ込まれそうですしね。

本にも書きましたが
私、福岡出身ではありますが
高校卒業してから地元を離れているので、そう福岡のことを語れるほど詳しくないんです。
福岡も広くて、北の方(北九州)なんかは
今でもほとんど行ったことがないですし。
なので、私がこうして話したり書いたりできるのは
とても限られた、狭い地域のことだけだし
あとは、ずっと福岡に住んでいる両親から聞く話や、帰省時に足を運んだ場所、食べたものなど。

それでもこんなに様々な、その土地ならではの食べ物があるって
すごいな〜って。
日本は小さな国ですが
こんな小さな中で、本当に多種多様。とても興味深い食文化が各地にあります。
日本人なのに、日本のことをまだ全然知らない。
福岡出身なのに、福岡のことをまだ全然知らない。
そう思うと、もっともっと!と好奇心は湧くばかり。

この本を作ることで
私なりに、福岡に向き合った2024年でした。
これからも、私の知らない福岡をもっと見たいしもっと食べたい!

次からは
福岡の特産品を使ったレシピです。
と言っても、福岡でしか手に入らない食材なんてないですしね、ぜひいろいろ作ってみてくださいね。

11. 明太バタートースト

明太子は
子どもの頃から大好き。
これは、レシピを載せるほどでもないかな〜とも思ったんですが
なにせ大好きなもので。笑

昔から、トーストといえばこの食べ方!だったので
私にとっては普通のトーストなんですが
他のお家では、意外と普通じゃないのかも??と思い
紹介する意味も込めて載せました。

バターと明太子を別々で乗せるのではなく
ちゃんとしっかり混ぜ合わせて、きれいなピンク色のペーストみたいにしてから塗るのです。
別々じゃだめ。
なので、しっかりバターを室温にしてから混ぜてくださいね。

この明太バター、まとめて作っておくと
茹でたてのパスタに絡めるだけで最高においしいし
私はけっこう、パスタじゃなくうどんやそうめんに絡めるのも好き。
そしてもちろん炊きたてご飯にも。
刻んだ海苔なんか振りかけるとさらにおいしいですよ。

12. めんたいコロッケ

明太子のメニューを何かトースト以外にも載せたいな〜と思ったんですが
ご飯と一緒に食べるか、パスタに使うか、
日常的にはそれがやはり多いので
それ以外で、わざわざでも作りたくなるようなおいしいやつ!と考えて思いついたのが
このコロッケです。

じゃがいもと明太子の相性の良さは言わずもがな、ですが
このコロッケのポイントは
バッター液。
通常のコロッケはキテレツの歌にもあるように小麦粉、卵、パン粉の順にまぶして衣をつけますが
これは小麦粉と卵をあらかじめ混ぜてしまうやり方。(で、それだけだとドロドロすぎるので少しお水を入れる)
パン粉がきれいに付いて、とても上手にコロッケができますよ。

このページの写真は、お友達が撮ってくれました。
この本の写真のいくつかは、カメラ好きのお友達二人によって撮影されたものです。
前回の本にも、彼らが撮ってくれた写真をいくつか使わせてもらっています。

彼らがカメラにハマり出した頃、ちょうど私が4冊目の本を作ろうとしていた時で
その話をしたら
だったら食べ物を美味しそうに撮る練習にもなるし、いくつか写真撮らせて欲しい!と言ってくれて
自分で撮る写真ばかりだと、どうしても同じような写真になりがちなので
大助かりな提案だったんです。
前回の撮影をとても楽しんでくれたようで
また新しく本を作るよ、と話したら
じゃあまた撮るよ〜!と。
そしてこんなに素敵に撮ってくれました。

ちなみにコロッケに使った器は
前にも紹介した「STOCK」で購入したお気に入り。
ギンガムチェックのようなこの柄、意外とどんなお料理にもマッチするんですよ。
パスタでも、チャーハンでも、サラダでも、生姜焼きとご飯、
そしてこんなふうに揚げ物でも。

13. のりたまサンド

このサンドイッチは
簡単なのにほんとに美味しいと思っているおすすめの一品。

最大のポイントは
パンに少しのバターを塗ってトーストしておくこと、そしてその面を内側にしてサンドすることです。
卵には柔らかさを出すために牛乳を入れています。

海苔って
私が子どもの頃から必ず食卓にあったのであまり気にしたことがなかったんですが
高いんですね、笑
良い海苔ほど、高い。
でも安い海苔はやっぱりう〜〜ん、、、なお味。

関西の方は、あまり海苔って日常的に使わないのかしら。
手巻き寿司とかするときに買うって感じ、、、とのお声が聞こえてきそうですが、笑
海苔って色々使えて便利ですよ〜
レシピもこの本だけで3つ載せてますし
これを機にぜひ海苔を日常に!

最近、イベントなどの時に焼いている海苔のベジクッキーは
じわじわとファンが増えています。
先生、こないだの海苔のやつ美味しかった〜!と言ってもらえることが多く
これからも作っていきたいと思っていますよ。


14. 海苔のグリッシーニ

グリッシーニって
あまり馴染みのない食べ物かもしれませんが
おつまみに、ぽりぽり食べるのにいいんですよね〜甘くないし食感が良いし。

イタリアのものなので
よくお店で見るのは、ハーブが入っているものやドライトマトが入っているもの、ブラックペッパーなどのフレーバーですが
海苔を入れても美味しいんじゃないかと思いついたのは
ポテトチップスの海苔しおを見たときです。

そして写真のとても長〜〜い形は
ロンドンでイタリアンのグロッサリーストアに行ったとき
長さ30cmを超える長いグリッシーニが売られていて
わぁ〜こんな長いの初めて見たわ。これお土産に良さそうやけど、持って帰ってる間に折れるやろな、、、と思って買わなかったことを思い出し
家で作ればいいやん!と。

グリッシーニって、イーストを使うので
それだけでなんだか難しいしめんどくさそう、と思ってしまうんですが
パンと違ってふっくらとした仕上がりを目指すわけではないので
滑らかになるまで捏ねさえすればだいたいおいしくできる気がします。
焼き加減も、カリッとなってればオッケー、なので気楽です。
1本食べてみればいいんだから。

本にも書いている通り
適当な長さに作るのではなく
“この瓶に保存しよう“ と最初に決めておき、その瓶の高さに合わせて焼いておくといいですよ。
長いの焼いて、後になって
あ〜どうしよ、瓶に入らへんわ、とならずに済みます。

お友達と集まって持ち寄りご飯、なんかの時には
保存のことなど気にせずに長〜〜具焼くと、テーブルの上でもインパクトがあってよし!です。





15. 蕎麦と海苔のサラダ

これは、海苔のレシピを考えていたときに真っ先に思いついたメニュー。

蕎麦を野菜と一緒にサラダにするというのは
いつだったか海外のレシピ本で見たことがある気がします。
その記憶がなんとなくあって
そしてざる蕎麦を食べるときにいつも海苔を使うから
それを組み合わせれば美味しいサラダになるじゃないか!と。
そしてもう一つ、ざる蕎麦に欠かせない薬味といえばわさび、なので
じゃあドレッシングにわさびを使おう、となりました。
我ながら、よくできたサラダだと思っています。

野菜多めの蕎麦、ではなく
あくまでサラダっぽく仕上げたかったので
蕎麦の麺を短く折ることにしました。
お水でしっかり洗って、麺を引き締めてくださいね。そしてその後はしっかり水気を切ること。

海苔を胡麻油で炒める、というのは
韓国海苔を食べていて思いついた方法です。
ちょっと炒めるだけですごく香ばしくなるので
このサラダの時だけでなく、ご飯と納豆と海苔、なんてときにもおすすめです。

野菜はなんでも合うと思うので、お好みで。
買い物に行ったときに目が合った、おいしそうなものを使えばバッチリです。
ベビーリーフ、スプラウト、季節であれば菜の花やスナップエンドウなどを使うと
見た目にも可愛いです。
蕎麦の麺にも色々ありますので
できたら蕎麦粉の割合が高い、香り高いものを使ってみてください。
一層おいしく仕上がります。

16. セロリごはん

炊き込みご飯なんて珍しくはないですが
セロリの炊き込みって、どうでしょう、あまり聞かないですよね〜

私も、あまりやったことがありません、実は。笑(正直)
でもね、本にも書いている通り
私の地元の隣町、みやまは
セロリの大産地なんです。
時季になると、道の駅には思わず“重っ!“ と言ってしまうほどの大株セロリが山積みになります。
しかも400円とか500円とかで。

京都で、1、2本で198円とかのセロリをスーパーで見ると
ほんとにびっくりして二度見してしまいます、笑

問題は、買ったセロリをどう食べるかです。
うちの実家ではだいたい、食べ方は3パターン。
サラダ、ピクルス、佃煮。
佃煮は意外かもしれませんがとても美味しいんです。

ワンパターンになりがちなので
以前から、もっとセロリを上手に使えるようになりたいな〜と思っていたんです。
ちょうどこの本にもセロリを使ったものを載せたかったし
これを機に色々作ってみたり、考えてみたり。
みやまの道の駅も、工夫を凝らしてセロリ商品を開発しているようです。

そんな中で、これはいい!と
我ながら美味しいレシピができたと思っている炊き込みご飯。

セロリご飯と呼ぶからには、セロリのみで勝負か!?とも思いましたが
やはり、何かしら他の旨みが欲しいなと思い
少しの豚肉と、これがいい味出してます〜な干しエビ。


それに胡麻油、ナンプラー、 生姜を合わせることで
アジアの炊き込みご飯の出来上がり〜です。

先にご紹介したかしわめしは
日本人がよく食べ慣れた、懐かしい味のご飯ですが
たまにはエスニックなお味もまた良し。
セロリが入ることでとても爽やかさが出て、玉ねぎなどで作るのとは違う風味になります。

干しエビって
普段の料理にあまり使わないかもしれないですが
私は家に常備していて
チャーハンでもスープでも塩焼きそばでも
ほんの少し刻んだ干しエビを入れるだけで
ぐんと旨みが増すんですよ。
あまり賞味期限も気にせず常備できる食材ですし、これを機にぜひ。

STOCKで撮影させてもらった写真が
とても気に入っています。
ご飯だけ写すのもアレだし、だし巻きでも作ろうか?と言って
ささっと作ってくれただし巻きと
ここのお豆腐美味しいんよ、と言って出してくれた冷奴。

これだけで十分満足な食卓になりました。

17. ソーセージロールパイ

ソーセージロールパイは
イギリスの定番焼き菓子のひとつ。
スパイスの効いたソーセージにセロリが入ってたら絶対おいしいだろうと
確信を持って試作した一品です。

作ってみたら想像通りおいしくて
何度も試作をせずにすんなり出来上がったレシピです。

フェンネルとセロリが、とても相性がいい気がして
ただスパイシーなだけでなくスモークパプリカやハリッサを使うことで
食欲をそそる香りと味になっていると思います。

それと、私的こだわりポイントは
りんごを入れること。
よく海外のレシピ本で見る、セロリとりんごのサラダ。
よく見るということは、相性がいいということです。
実際私も、このサラダ、大好き。
豚肉とりんごも相性いいですからね〜つまりこれ、相性のいいもの同士を全部まとめて混ぜ込んだパイなんです。

成形方法もとても簡単。
巻き寿司の要領で巻いて、カットするだけです。
カットしているので、焼けたかどうかも確認しやすいしお手軽です。
パイ生地から作るの面倒だな〜という方は
冷凍パイシートなんか使えばあっという間。
冷凍パイシートって、だいたい長方形で売ってるでしょ?なので、そのまま巻くだけです。

簡単なわりに
成形方法を言葉でわかりやすく表現するのは意外と難しいな、、、と思い
これは工程写真を載せました。

18. セロリたっぷりトマトソース、ナポリタン

トマトソースにセロリはあまり入れないかもしれませんが
ミートソースには玉ねぎ、にんじん、セロリなんだしトマトソースにセロリをたっぷり使ってもおいしいはず、と
思いついたのがこのソース。
しっかり蒸し焼きにするのでかさが減って、たくさん使えます。
炒める時にリンゴジュースを使うのが私的ポイントで
これ、何年か前にポートランドの知り合いがやっていた裏技です。
あま〜い飴色玉ねぎを作る裏技。
ソーセージロールパイのところでも書いたように
セロリとりんごって相性がいいので
じゃあこれで炒めたらいいじゃん!と、この方法のレシピになりました。

野菜自身から出てくる甘味にリンゴジュースの風味と甘さが加わって
とてもおいしいソースになります。
ぜひ試してほしい自信作です。

作っておけばいろいろと用途も多いソースです。
ブレンダーでガーーーなので
少量作るのもたくさん作るのも手間はそう変わりません。
ぜひまとめて作ってストックし、便利に活用してください。
野菜だけで作るソースなので、調理の時にお肉と合わせるとよりおいしく。

例えば、ひき肉を炒めてこのソースを加えるだけでも立派なパスタのソースになるし
カレーの隠し味的に使っても。
チャーハンの要領でチキンライスのように使っても。

いろいろアイディアも浮かびますが
そんな中から、本ではナポリタンをご紹介。

トマトソースだけで作ると、トマトパスタっぽくナポリタン感が弱かったため
レシピではケチャップを足していますが
量はどうぞお好みで。
ピーマンなんかを入れてもいいかもです。

このページの写真、私が携帯電話で撮ったんですが
我ながら美味しそうに撮れたな〜と満足している写真です。


19. きのこピロシキ

ピロシキって、私大好きなんです。
でも、なかなか売っているパン屋さん、ないですね〜なので
いつか、自分で上手に作れるようになりたいと常々思っていた一品です。

私の地元、大木町は
まさに“きのこの町“ で、道の駅へ行くと株ごと売っていたりするんです。
そんな小さい頃から食べ慣れ親しんできたきのこ、特に産地でなくとも安くで手に入る食材ですし
みなさんも普段からお料理によく使われると思います。

なので、いざ本にきのこを使ったレシピを載せるとなった時
何がいいかしら。ちょっと珍しいものの方がいいよな〜と
いろいろ考えていました。

そこで思いついたのがピロシキ。
きのこ入りカレーパンにしようかと少し迷いましたが
やはりピロシキ。
これを機に、ピロシキ上手に作れるようになろう!と。

ご存知の通り、パンは私の専門分野ではないので
まず、ピロシキのレシピをたくさん集めることから始めて
それらを作ってみて食べ比べる。
すると、使う材料の微妙な違いや配合の違いで生地の様子が変わるのが
とてもよくわかりました。
こっちのレシピは卵入ってるのにこっちのレシピは入ってない。これ、どう変わるかな、、?作ってみよう。みたいな。
やはり慣れない分野は時間がかかります。
私が目指す、こんな食感のピロシキ!という理想と違った時に
どこをどう直せばイメージしているものに近づくのかが、パッとわからないからです。
それでも、パン屋さんのお友達にもアドバイスをもらいつつ
やっと私なりにおいしいと思うピロシキができました。
パン生地には手こずりましたが、具は簡単に理想の味が出せたんですよ。
バターと醤油を使うこと、そして少しの甘味を加えていることがポイントです。
この具、冷やご飯を投入してチャーハンにしちゃってもおいしいです。


なんとなく、ピロシキって丸いイメージがありませんか。
きっと、パン屋さんがピロシキとカレーパン、両方作るとき
外見が同じような揚げパンなので区別をつけるため、カレーパンを細長いラグビー形、ピロシキを丸い形にしてることが多いからじゃないかと思うんですが
これ、実際成形してみると
ラグビー形にする方が断然包みやすいと思います。
なので、最初はなんとか丸いピロシキにしようとやってみていましたが
カレーパンと一緒に並べるわけじゃないんだしムリに丸くしなくていっか、と思い直しました。
写真は、なんとか頑張って丸く成形したものを撮りましたが
みなさんもお家で作るときは、全然丸くなくていいと思いますよ。
丸くしようとすると、具が真ん中に来ず偏ってしまうんです。

あと、memo にも書いていますが
同じ配合で作る生地でも、こね具合によってできあがりの食感が全然違うことも学びました。
手ごねは大変ですが
こねるのをちょっと怠けてしまうと、重ーいピロシキになってしまいます。
頑張ってしっかりこねてください!
その先にはおいしいピロシキが待っていますから!

20. きのこのパコラ

パコラは私の大好物です。

以前、不定期開催していたスパイス料理クラスでも
レッスンメニューとして登場したことのあるインドのスナック。
小麦粉ではなくひよこ豆の粉を使った衣で作る天ぷらです。

とても簡単でおいしいので
時々無性に食べたくなる一品で、野菜で作ることが多いんですが
きのこを使ってもとってもおいしいです。

ただ、よくあるパコラのレシピに沿って作ると
わりと厚めの生地がべっとりと野菜を覆っていて
それがからりとなるまで、時間をかけて低温でじっくり揚げるんです。なので、割ってみると
具より衣の方が厚くない?と思うような時もあるほど。
でも、それがパコラのおいしさなんだ、みたいな認識で
野菜ももちろんだけど、ひよこ豆で作った、少しスパイスの効いた衣が美味しいんだよ、と。

確かに、パコラの衣、おいしいんです。
ひよこ豆の独特の風味と、小麦粉みたいにグルテンがないので軽い感じ、
そしてスパイスと生姜が効いていて塩味もつけてあるので
衣だけでおつまみになりそうな、そんな感じですからね。

でもこの私のレシピは
あくまできのこを主役にしたパコラに仕上げるべく
衣はかなりうっすら付くようにしました。(水分が少ない衣だとべっとり厚めに付きます。その方が好きな方は私のやり方でどうぞ。)

サクサク感を出すための工夫として炭酸水も使用。
パコラ本来の作り方とは変わってしまいますが
より私好みに仕上がっています。
もちろん、きのこ以外でもおいしいですし
おすすめはカリフラワー、ブロッコリー、茄子。いろいろ組み合わせたかき揚げも。

小さいお鍋を使えば少量の油でもできますし
もしくはピロシキなど、油を使う機会があったときについでにやってみて下さい。
ひよこ豆の粉(ベサン)はKathy’s Kitchen 近くのmaki さんに売ってますよ。






21. 八女茶パンケーキ

私はパンケーキが大好きなので
過去の私の本にはどれもパンケーキのレシピが載っています。
パンケーキにもいろんなタイプがありますからね〜
毎回、少しずつ違うレシピのものを載せるようにしてきました。
で、今回はお茶を使います。

福岡といえば八女茶、と言ってもいいくらい有名なお茶。
八女市は、私の実家から車で20分のところにあるとてものんびりした街です。
小学生の頃から、遠足で行ったりキャンプに行ったりする場所でした。

八女に行くと
お茶屋さんを何軒も見ます。 
きっと地元の人には贔屓のお店があるのでしょうけど
よく知らない私のような人は、道の駅などに行けばいろんなお茶園のものが揃っていて選ぶことができます。
まぁ、それでもどう違うのかが見た目でわからないので
どれを買えばいいのか迷ってしまうんですが。

そんな中、最近は
お菓子作りなどにも使いやすいよう微粉末にされたものも販売されています。
私はいつも、八女でお茶を作っているお友達のエリさんが
彼女のお茶を粉末に加工したものを譲ってくれるのでそれを使ってお菓子など焼いていますが
市販の“抹茶パウダー“を使う場合は、まずはレシピの半量ぐらい入れて作ってみることをお勧めします。
煎茶と抹茶って風味が違うので
抹茶パウダーの場合、濃すぎる場合があります。

そして今回のパンケーキのレシピは
卵を黄身と白身に分けて作る方法のものを載せました。
ほわっとしか感じが出る作り方です。
でも、卵の量が多い配合なわけではないので、スフレパンケーキのようなのとも少し違います。
ちょいほわパンケーキ。
お茶のパウダーなしでもおいしいですのでぜひお試し下さい。


パンケーキの撮影には
私が大好きなお店を使わせてもらいました。
Cafe KOCSI カフェ コチは
京都に住む同世代のカフェ好きさんならきっと“20代の頃よく行ってたわぁ〜“ というであろう
その頃からある素敵なお店。
最近は姉妹店であるAnnee の方に立ち寄ることが多い私ですが
どちらのお店もとても好きです。
Anneeではパンを焼いているので、それを買いにだけでも行くし
お酒も飲めておいしい軽食もあるので
お友達との待ち合わせやおしゃべりにもぴったり。

この本に登場するメニューの多くを
工房の同じテーブルで撮影していたので、いくつかは違う雰囲気のものにしたくて
前にご紹介したSTOCKさんにも撮影協力をしてもらったり、実家で撮ったりしていました。
パンケーキは
物だけではなくぜひ食べているシーンを撮影したいというっこともありお願いしたというわけです。

定休日にわざわざ来てくれて
パンケーキやメープルシロップ、ナイフとフォークのの置き場所を変えては
あーでもないこーでもないとやっている時間も楽しく
ひととおり撮った後にはまだお昼なのにビールを開け、笑

その楽しい様子が写真からも見てとれたので、本に載せる1枚を選ぶのにとても迷いました〜!
でもおかげで、52&53ページに見開きで載せた写真は、とても気に入っています。



22. 八女茶クッキー

お茶を使ったお菓子、何を本に載せようかと考えていると
候補が多すぎて困りました。

スコーン、マフィン、ケーキ、タルト、クッキー、
だいたいどれも、おいしいからです。
なので、意外と普段の私のレッスンで登場する機会の少ないクッキーを載せることにしました。

とてもシンプルな型抜きクッキーですが
お茶だけでなくきな粉を少し混ぜることで、より滋味深いというか、手作りならではの風味が
出せていると思います。
焼いたときに広がりにくい生地なので
わりとくっきりと形が出るほうが好きな方にはおすすめ。
これも、先のパンケーキと同じく
抹茶パウダーを使う場合は少なめの量で作ってみて、自分好みの濃さになるようにしてください。
抹茶パウダーは入れすぎると苦いというより渋いので気をつけて。

この量の生地にしては卵1個は少し多すぎるので
仕上げに塗る用の小さじ1を取り分けてちょうどいいんです。
焼くときに表面に塗る溶き卵(に水を足したもの)は塗らなくても構わないんですが
このレシピの場合は、どちらにせよ生地にとって小さじ1の卵が余分なので
塗ってしまいましょう。
ちょっとおめかしした雰囲気の焼き上がりになりますので
プレゼントにもぴったりです。



23. お茶のボストンクリームパイ

ボストンクリームパイは
Kathy’s Kitchenのレッスンでも以前登場したことのある、アメリカ定番のケーキのひとつ。
パイという名前ですが、パイではなくケーキ。

スポンジ生地にカスタードクリームをサンドしガナッシュ(チョコレートクリーム)をかけて仕上げるケーキです。
一見甘そう〜なケーキですが
スポンジを甘さ控えめにし、ガナッシュに使うチョコレートをビターなものにすれば
さほど甘ったるくならずおいしいんです。
(そういうレシピをレッスンでやったんですよね〜)

お茶味のカスタードクリームって美味しそう、と
それを使ったボストンクリームパイを考えました。

クリームがお茶味ならば
表面のチョコは黒いチョコよりホワイトチョコのほうが合うな〜というわけで
緑と白の色合わせもかわいいケーキが完成しました。
ただ、ホワイトチョコレートを使う場合はビターテイストにはできないので
その分、かけるガナッシュの量自体を減らし、薄くかける感じの仕上がりにしています。

これも、気をつけてほしいのが
カスタードクリームに使うお茶の量です。

抹茶パウダーを使う場合は
入れすぎると渋〜いクリームになってしまうので
お使いのお茶によって調整の必要があるかもしれません。少量から試してみてください。

このスポンジケーキは
卵をしっかり泡立てるところはいわゆる一般的なスポンジケーキのようですが
ふくらし粉を使ったりヨーグルトを使ったりするところは
アメリカのバターケーキ生地のようで
2つのケーキをミックスしたようなレシピにしました。
失敗なく作りやすいスポンジケーキだと思いますので
ぜひ、ボストンクリームパイでなくても
デコレーションケーキの土台としてなどご活用ください。

24. ラスク (お茶&蜂蜜)

ラスクは
レシピなんか無くても、適当にやって美味しく作れそうなもんですが
でもこれは、ぜひこの本を手に取った海外の人に紹介したいなという意味もあり
載せました。
余ったパンを美味しく使う方法として真っ先に思いつくラスクは
パン屋さんでも時々、売られているのを見ますよね。
きっと、余ってしまったパンを無駄にしないよう、ラスクに変身させているんだと思うし
私も小さい頃からパン屋さんに売っているラスクが大好きでよく買ってもらっていたのを覚えています。

でも、海外でラスクってあまり見ないんですよね。
じゃあ余ったパンの活用方法として何が一般的かというと
パンプディングです。
パンをプリン液にしっかり浸してオーブンで焼き上げるというアレです。
もしくはフレンチトースト。
もちろんパンプディングもフレンチトーストも私は好きなんですが
ラスクのいいところは、日持ちがするところ。
作ってすぐ食べなくてもいいので、長く楽しめます。
ちょっと何か甘いものが欲しい時など、クッキーをつまむ感じでね。

なのに、アメリカにはないよなぁ〜みんな、作ればいいのに、と
いつも思っていたのです。
そうそう、クルトンはあります。
日が経って固くなってしまったパンをクルトンにする。ポタージュスープなどを飲む文化が
あるからでしょうか。逆に日本ではクルトンって、あまり使わないですよね〜。

クルトンを甘く作っておやつにする、という
少し発想を転換するだけのことですが
あまり見ないということは、浸透していない食べ物ってことだと思うので
これを機にアメリカでラスクが大流行りすればいいのに〜なんて密かに思っています。


25. 柿とクリームチーズのブロンディ

柿の時季に地元の道の駅などに行くと
本当にたくさん並んでいます。
並んでいるというより、積まれている感じ。
ああいう場所では、売られている野菜や果物に生産者さんの名前が貼ってあるんですが
生産者さんいすぎて
どの人の柿がおいしいのかとか、わからないまま買うことになります。笑
それくらい、たくさんの人が柿を作っていらっしゃる。

そんな地域で育っているので
小さい頃から、いつも柿の季節になるといつも
テーブルの上にはいくつか置いてあったような、そんな身近な存在です。

でもそのわりに
お菓子に使ったことはほどんどありませんでした。
柿はなんとなく、そのまま生で食べた方がおいしいような気がして。

でもこの本を作るにあたり
柿を使った焼き菓子、これを機に色々やってみることにしました。
果物なんだから
りんごや洋梨を使うのと同じように使ってみるところから始めよう〜と。

やってみた結果
やっぱり生のまま生地に混ぜたり乗せたりして焼いてみると
イメージしている感じにはならなかったので
この本では、事前に柿を加熱する方法を載せました。
柿をコンポートにする、と書くと
なんだかめんどくさそうに感じますが、さらっと15分ほど火にかけるだけです。
焦げない火加減にさえしておけば大丈夫。
これをやることで、味と甘味、食感が凝縮するのでお菓子の生地に合いやすくなると思います。

ただ、柿にも色々ありますしね。
完熟の、とても柔らかい柿だったらそのまま使ってもいいと思うし(むしろその方がいいかも)
その時手元にある柿を見て、使い方を決めてもいいんじゃないかと思います。


フレッシュな柿はお菓子に使ったことがなくても
干し柿はあります。
甘みもしっかりあるし、しっかりねっとりした食感がドライいちじくやドライアプリコットのような感じで使えます。
その干し柿とクリームチーズ、一緒に食べるととてもおいしいので
その応用でこのブロンディができました。
黒糖の風味も、柿とクリームチーズにぴったりです。


26. 柿のクランブルケーキ

このケーキは、試作に時間がかからずあっさりと完成したレシピです。

なぜなら、以前から
いつか何かしらのフルーツを使ってレッスンでやろうかな、と思って持っていたレシピだったから。
つまり、柿じゃなくても
何で作っても美味しいんです。
何でもいいなら柿でもいいでしょ、と焼いてみたところ
やっぱり美味しいね、というわけ。

そしてこちらのケーキにも
生ではなくコンポートの柿を使用。
コンポートは、少量作るもある程度まとめて作るも手間は一緒なので
柿3、4個分まとめてやっちゃって
結局お菓子焼く時間ないわ、となったら
刻んでヨーグルトと一緒に食べたりしても。

それからこの生地は
作ってみると途中で“これで合ってる?“ ときっと思ってしまうほど
かためです。
レシピにも書いてありますが、大丈夫です。
焼くとちゃんとしっとり美味しいケーキになります。

ただかための生地は
型に入れて広げるときに少々やりづらいので
そこだけちょっと工夫が必要です。

27. 柿とにんじんのスープ

柿をスープにするなんて?と
意外なメニューかもしれません。
いつだったか覚えていませんが、海外のレシピ本でみたことがあるんです、柿のスープ。
それで思いつきました。
柿だけじゃなく、同じ色の人参も混ぜて作ればきっと色もより綺麗で
味も、馴染みやすいスープになるんじゃないかって。

弱火でじっくり蒸し焼きにした人参って
ほんとうに美味しいんです。
ふつうの人参でも、何かこれは特別な人参なのか?と思うほど甘くておいしくなります。
なので、それを利用してスープを作るわけです。

玉ねぎ、人参、柿に火を通すとき
とにかく焦げないように、でもじっくり時間をかけて加熱することが
このスープの最大のポイントです。
そうすれば、ブイヨンなど使わなくてもとてもおいしいスープになります。

そしてもうひとつのポイントが白味噌。
これは、私が普段からよく作る人参サラダからヒントを得ました。

温かい人参サラダに
白味噌を使ったタレというか、ソースというか
それを合わせるのがとても好きなんですね。適度な塩気と甘味が絶妙で。
なので、このスープにも合うんじゃないかとやってみたら
バッチリ!
塩だけでは出せないコクや旨みが加わって、さらにおいしいスープに変身です。

お味噌って
味噌汁以外のスープにも、調味料としてけっこう使えます。
はっきりとした味噌味になるほどではなく、少しだけ、塩やブイヨンの代わりに入れるようなつもりで
どうぞ使ってみてください。

このページの写真に使っている器は
縁の部分が広くなっていて、そこにパンを置けるので(まさに写真のように)
このようなポタージュスープにぴったりです。
この茶色いパンは、私が好きでよく食べているシリアルブレッドなんですが
カリッと焼いたバゲットやナッツ入りのパンなども
このスープに合うと思います。



28. バルサミコいちごいちごジャム

福岡といえばいちご!

この本に、いちごのメニューは絶対欠かせません。
もちろん福岡以外でもいちごはたくさん作られていますが
やっぱり福岡のいちご、おいしいです。

子供の頃、家の裏がいちごハウスだったので
ほんとにいつも甘〜いいちごの香りがしていて、私にとっては懐かしい香りなのです。

生産地の特権と言いますか
直売所などでは、形が不揃いだったり少し傷がついていたりするものが
箱にたくさん入って格安で売られていたりするのに出会います。
そんな時は迷わず購入してジャム作り。
いちごのジャムは、おいしいだけでなく
煮ている時の香りが最高にしあわせにしてくれますね〜。

シンプルないちごジャムは
レシピなんかなくても作れる〜という方がほとんどでしょうけど
そんなみなさまはぜひ、このバルサミコ入りを試してみて下さい。
しっかりバルサミコの味を効かせるのではなく、なんか遠〜〜くの方にいるような、くらいの使い方で
いつもとはいちごジャムに。
これがチーズとよく合うんです!

最後、煮すぎると
せっかくの風味が飛んでしまうので気をつけて。


29. いちごのガレット

いちごの焼き菓子なんて
たくさん思いつきすぎて正直、どれを載せようか迷いに迷ったんですが
とにかく、極力手を加えずいちごのおいしさをストレートに味わえるものって何だろう、と考えると
これでした、っていうのがこのガレットです。

いちごの5%のお砂糖だけ、というシンプルさ。
ほんとうは、このわずかなお砂糖さえいらないほど福岡のいちごはおいしいと思うけれど
このお砂糖は、加熱したときにいちごから出てくる水分の受け止め役として必要なのです。

パイ生地も、至ってシンプル。
これ以上に素材の味を活かせるレシピ、あるかしらと言える一品です。

いちごは粒の大きさが色々ですが
写真のように小ぶりのものを使うと、とても可愛らしい出来上がりになると思います。
大きいいちごの場合、半分にカット、くらいだと柔らかくなりにくいのと食べにくいというのもあって、小さめにカットして使うのが私は好み。

パイ生地に火が通る25分くらいで
ちょうどいちごもぐつぐつとおいしそうな感じになるのが理想です。



30. いちごのロールケーキ

生徒さんならご存知の通り
ロールケーキはレッスンでは絶対に登場しないケーキです。

つまり、私が普段あまり(ほとんど)作らないタイプのお菓子。
ですがこの本には、日本っぽさを感じるメニューをできるだけたくさん載せたいというのもあり
いちごを使った日本的なお菓子といえばで真っ先に頭に浮かんだのが
ロールケーキとショートケーキでした。

どちらも、あまりアメリカでは見かけることのないお菓子です。
じゃあどっちを載せようかな、と考えたときに
この本にはボストンクリームパイというケーキを載せたので
ショートケーキだとなんとなく形が似ているし
同じようなケーキを前に作った本にも載せたので(HARVEST BAKING のヴィクトリアケーキ)
ロールケーキにしました。
でも、一般的なロールケーキの作り方とは若干違うと思います。
卵の力だけでふんわりさせるスポンジではないですので
泡だてさえちゃんとすれば、上手く焼けるんじゃないかな、というレシピにしました。

そしていちばん気がかりな、巻くところ。
熱いうちに巻いて形をつけるというやり方は
スポンジはきれいに焼けたみたいだけど、冷ましてからいざ巻こうとしたら折れた、、割れた、、という事態が起きるのを防ぐため。

まぁでも、巻くときに割れてしまったら
クリーム塗っちゃえばいいじゃん、とも思わなくないですが。笑

実はこの写真を撮ったとき
表面をクリームでデコレーションしたものなどもやってみたんですが
どの写真を使おうかと迷って迷って、デコレーション無しを選びました。
地味ですが、その素朴な感じがなかなか気に入っている写真です。

小さく載せた方の写真のように
クリームやイチゴを飾っても。
ボストンクリームパイのところに載せた、抹茶のカスタードクリームを巻いても美味しいと思います。

31. いちごサンド

食パンにホイップクリームといちごを挟む、という
レシピなんか無くても作れそうなこのサンドイッチを本に載せたのは
これまた海外の人に向けて紹介したかったから。

この、いかに断面を美しくするか、というフルーツサンドって
とても日本らしいサンドイッチだなと思います。
そもそも、甘いクリームとフルーツを挟んだサンドイッチ自体が、アメリカではあまり馴染みないかも。
というかそもそも、この柔かい四角の食パンが
アメリカには無いですからね〜。(時々日本人がやっているパン屋などがあると、日本の食パンはとても人気らしいですよ。)

なので、特別なレシピってわけではないですが
クリームにチーズを少し混ぜることで
冷やしたときにやや固まるのできれいにカットしやすいと思います。
お味もチーズケーキみたいになるし、果物との相性も良くおいしいです。
ぜひいちご以外のいろんなフルーツでもお試しください。


32. みかんウォッカ

みかんもね〜たくさん採れるんですよ、福岡。

冬に道の駅に行くと
もうほんと、山積みです。
しかも最近は他の果物同様、いろんな新品種があみ出されていて
もう、どれがどんなみかんなんだかさっぱりです。

柿と同じく
子どもの頃から、冬になると必ずテーブルの上に置いてあるみかん。
そこにあって当たり前な感じで常備してあって
おやつに、ご飯の後に、と
なんとなく手を伸ばして食べる、もはや無意識にやってると言ってもいいくらい。

そんなみかんですので
それを使ったレシピを考えようとしたものの
やっぱみかんはそのまま食べるのがいちばんでしょ、と思わなくもなく、、、

そんなとき、前に海外のレシピ本で見たことのあるお酒を思い出しました。
ワインにフルーツやスパイスを漬けて作るサングリアってありますよね、それを
ウォッカで作ったやつ。
その本ではオレンジとキウイを使っていて
それもとてもおいしいんですが
みかんでやってもおいしいんじゃ??と思って作ってみたのがこれでした。

みかんを使うことで
砂糖とは違うナチュラルな甘味と香りが加わって
炭酸割りにぴったりです。
少し甘くなりますが、ジンジャーエールで割るのもおすすめです。

33. 甘夏のすしケーキ

酢飯好きな私のおすすめ、酢の代わりに酸味のある柑橘で作るさっぱり酢飯。

グレープフルーツなどで作るレシピも時々見ますが
この甘夏、春になると道の駅などでたくさん売っているので
一度使ってみたところ、とてもさっぱりおいしくできました。

この本を作るとき、酢飯を使ったものを何か載せたいな〜と思っていて
ちらし寿司にしようか、巻き寿司にしようか、
色々とアイディアひねっていましたが
お誕生日などスペシャルな日に作れそうなケーキ仕立てがかわいいな!と思い
すしケーキを考えました。
甘いものが苦手な方のバースデーなどは
これにろうそくを立ててふぅ〜もいいですね!

具はなんでもいいっちゃあなんでもいいんです、笑
決して和風なものだけでなく
本に書いているようなハムやとうもろこし以外にも
ツナ、海老、オイルサーディン、カニかまなどもいいし
漬けておいたピクルス、オリーブなどを混ぜてみたり、ハーブやナッツを刻んで混ぜたり。
日本人の私たちは
感覚的に“これとこれ、ご飯に混ぜたらおいしそう“ というのはわかるような気がするので
ぜひ、思いつくままに
できれば彩も考えて選ぶとより可愛く仕上げられると思います。

表面の炒り卵は
ケーキで言えば、表面に塗る白いクリーム。
これがあることでデコレーションが映えるのでぜひ作ってください。
炒り卵には焼き色をつけたくないので、弱火でじわじわ加熱するのがポイントです。
きれいなイエローを目指してください。

あと気をつけたい点と言えば
ご飯の詰め具合です。
あまりにぎゅうぎゅう押してしまうと、ご飯もぎゅっとなってしまいますし
かといって詰めが甘いと、カットするときにボロボロと崩れます。
程よい詰め具合というのはなかなか文章では伝えにくいので、ぜひ一度やってみて
ちょうどいい感じを掴んでください。


34. 柚子胡椒の焼きおにぎり

まずこれ、目次が間違っているんです、、、すみません!

柚子胡椒。
みなさん、普段使いしているんでしょうか?
うちの冷蔵庫にも実家の冷蔵庫にもいつも入っている、私にとっては常備調味料のひとつ。

そうめんやお蕎麦(冷)、豆腐、鶏肉にもお魚にも合いますし、万能です。
そんな柚子胡椒を使ったレシピをこの本には必ず載せようと思っていて
でも、おすすめの使い方がありすぎて
何を載せようかかなり迷いました。
なので柚子胡椒レシピは4つ。

焼きおにぎりも
この本を見た外国人の方に
“おにぎりを焼くっていう、こんな食べ方もあるんだよ“ と教えたい意味も込めて
載せたいメニューのひとつでした。
そこで考えたのがこれ。
味噌と柚子胡椒がまた、合うんです。
焼きおにぎりにしなくても、これをきゅうりスティックに付けて食べるだけでもおいしいですし
田楽味噌のような感じなので
お豆腐料理にも絶対に合います。

焼きおにぎりは
フライパンでやってみたり、魚焼きグリルでやってみたりもしましたが
お家で作るならトースターがいちばんいいな、という結論。
塗ったお味噌がぶくぶく言うまで、しっかり焼いてください。

みなさんにも自分好みの味噌ってあると思いますし
最近は自家製で仕込む人も増えたと思いますが
私は、セロリの産地としてご紹介したみやまの道の駅で売っている、みやまの婦人会が作っているお味噌が大好きです。
他のいろいろなお味噌を買ってみたりもしますが
やっぱりこの味噌がいちばん!と
ずっと使い続けています。
九州っぽい、色も薄めな甘い味噌。

自分好みのお味噌でぜひ試してみてください。


35. 柚子胡椒からあげ

から揚げは
下味として何を揉み込むかでいろんな風味が楽しめます。
以前働いていたカフェのメニューに
とってもおいしい唐揚げがあったんですが
それはナンプラーをもみ込んでいるものでした。

唐揚げに柚子胡椒をちょこっと付けて食べるのもおいしいので
だったらもみ込んじゃえばいいやん!と思って作ったのがこれです。

ただ、入れれば入れるほどおいしいというわけではなく
使いすぎると辛いので(だって唐辛子ですからね)少しの量から始めてみてください。
メーカーによって、柚子胡椒自体の元々の辛さも違うと思いますし。

お家から揚げは
なかなかカラッと揚がらない、、、と言いますが
2度揚げする代わりに、トースターやオーブンなどで焼く、という方法がおすすめ。
余分な油も落ちてくれるしとてもおいしいですよ。



36. 柚子胡椒ポップコーン

アメリカのスーパー、スナック売り場って
とても面白いんですよ。

ものすごい種類のスナックが並んでいて、お味もいろいろ。
日本にいるとあまりスナック菓子は食べない私でも、ついいろいろと買いたくなってしまいます。
ポテトチップやコーンチップと並んで
いろんなフレーバーがあるのが、ポップコーン。
みんな、ポップコーン好きなんですね〜。

だったらそれを柚子胡椒で作ったらどうかな〜??とやってみたのがこれです。
柚子胡椒だけだとピリピリ辛いししょっぱいので
バターと蜂蜜で甘じょっぱに仕上げました。

このページでは
甥っ子と姪っ子にモデルをお願いしました〜!
ポップコーン食べてるとこ、写真撮って本に載せたいからモデルさんしてくれる?と言うと
とても嬉しそうに協力してくれました。
姪っ子ちゃんは撮影の時、いちばんお気に入りだというスカートをはいてきてくれたんですが
ごめんよ〜スカートは写らないのよ、笑

せっかくだからと見開きで写真を使った叔母バカですがお許しください〜笑

37. 柚子胡椒サルサソース

時々、無性に食べたくなるタコス。

好きな具材で、サルサソースも適当にちゃちゃっと作ってよく食べますが
日本で作ると、おいしいんだけどどうもアメリカで食べるサルサソースの味とは違うんだよな〜と
いつも思うんです。
でもそれ、仕方がないんですよね〜。
アメリカは、スーパーに行くといろんな種類の唐辛子が売っていて
フレッシュなものも、ドライも。
それを使ってサルサソースを作るので
日本で再現しようと思うとなかなか難しいというわけです。

でも、全く同じ味に作れなくても
美味しければいいんです。
そこで思いついたのがこの、柚子胡椒入りのサルサ。
唐辛子を刻んだりする手間も要らず、ただ混ぜるだけなので簡単〜。
ゆずもほわっと香ってとてもおいしいです。

お肉のタコスでも合うと思いますが
本でご紹介した魚のタコスにすごく合います。
白身魚ではなくエビのフリットとかでもおいしそう。

タコスって手巻き寿司みたいなもんで
自由に好きなものを挟んで、巻いて、食べればいいのです。
タコス普段あんまり食べないんだよな〜という方も
もっと気楽にできると分かれば、楽しめるかも。
それでも慣れないから大変、、、と思う方は
このサルサソース、ホットドッグやサンドイッチにアクセントとして使うのもおいしいし
サラダにトッピング、みたいにしてもいつもと違う雰囲気のサラダになると思いますよ。

38. 日本酒漬けドライフルーツとナッツのケーキ

ドライフルーツとナッツをお酒に漬けるといえば、ラム酒やブランデーなどが定番です。

が、ある時
日本酒につけたらどうかな〜と思ってやってみたことで生まれたこのケーキ。
日本酒漬けっておいしいんですね〜。

そもそも、ラム酒などの蒸留酒はアルコール度数が高いので
ドライフルーツなどを漬けて長く保存しても風味が落ちるということもなく
むしろより深みが増したりもしますが
逆に、長く漬けると染み込みすぎて辛かったりもします。
それに比べてアルコール度数15度前後日本酒は、浸かり具合が程よく
そのまま食べてもおいしいと感じます。(基本的日本酒好き私味覚です)

ケーキに焼き込むと、アルコールは飛びますが
ドライフルーツはジューシーになっているし、ほわっと良い風味が広がってとてもおいしいのです。
でも、日本酒ってものによって味が全然違いますので
使うお酒によって変わるでしょうけど
私が試したもの数種類は、どれもおいしくできました。

漬けておいたお酒はケーキの中には焼き込まず、グレイズとして使うことで
よりそのお酒の風味を楽しめると思います。

私が日本酒に興味を持ち出したのは
実はここ4、5年です。
それ以前はほとんど飲んだことがなく、あまり興味もありませんでした。
でもある時、友人に勧められて行ったご飯屋さんで飲んだ日本酒がとてもおいしくて
日本酒ってこんなに美味しかったんだ!とびっくり。
それ以来、いろいろな日本酒を楽しんでいます。

こんな小さな日本でもこんなにたくさんあるのか、と思うほど
全国各地に、それぞれその土地のお酒があって
日本酒の文化って本当にすごいな〜と思います。
一生かかっても飲みきれないほどのお酒があるんですから。
まだまだ日本酒初心者の私、これからももっといろんなお酒に出会いたいな〜と思います。

そしてこのケーキは
生地もおすすめ。
とてもシンプルな、アメリカによくあるタイプのバターケーキですが
だからこそ、どんな具材とも相性がいいし、色々使える便利な生地だと思います。
ぜひ活用してください。

39. 酒粕かぼちゃケーキ

酒粕って、みなさん普段使いますか?

私は酒粕、甘酒などの類は全く興味がなく
正直、去年までは口にしたこともなかったくらい。
お米が甘いのが嫌、という理由でおはぎも苦手な私ですので
甘酒の中にお米が入っていると思うだけで飲めない、、、そんな食わず嫌いでした。
酒粕も、粕汁は飲んだことあるけど、、、別にお味噌汁でいいや、と。笑

そんな私が
今年に入って急に興味を持ち始めたのは
この本がきっかけでもありました。

この本は海外の方にも見ていただきたい、という気持ちがあったので
日本っぽいものを取り入れたいと考えていました。
それに加えて、いつも福岡の八女でポップアップをさせてもらっている会場が
“高橋商店“さんという、酒屋さんなんです。(ひとつ前の日本酒ケーキのページで紹介している酒屋さん)
いつもイベント終わりでお酒を購入してはいましたが
せっかくそこを使わせてもらっているというご縁があるので、もっとここのものを使ってみたいな、と
思ったのです。

それからは、とにかくたくさんのレシピ本でまずは使い方を知らなきゃ、と
図書館へ行き
片っ端から本を読み、美味しそうなもの、試したいものを作ってみました。
すると、今までこの世界の扉を開けずに避けていたことがなんともったいないことか!と思えるほどの
おもしろさ。
食わず嫌いだった甘酒は、ドレッシングに使うのがお気に入りとなりました。

まだまだほんの少し足を踏み入れただけの世界ですが
この酒粕のケーキは、私のような初心者さんでも馴染めるお味に仕上げています。

最初はプレーンな生地で、何か具材を入れてと思いましたが
試食しているうちに
この風味、、、かぼちゃに合いそう!と思いつき、混ぜて焼いてみるとやっぱり。
かぼちゃのほくっとした甘さがとてもいい。
色もとても綺麗です。
写真のようなオレンジ色に仕上げたい場合は、皮は使いませんが
もちろん皮ごと使っても。

40. 酒粕チーズスコーン

先に書いたように
酒粕初心者の私。

酒粕にもいくつかのタイプがあり
大きく分けると板状のものとクリーム状のものがあると知りました。

だったら、それぞれの用途を考えようと思い
クリーム状の酒粕があるときは混ぜやすいのでケーキに
板状の酒粕があるときは、その形状の特徴を活かしてスコーンに。

時々、私が好きで焼く“クリームチーズスコーン“ というのがあるんですが
それのクリームチーズの代わりに酒粕を使ったら美味しんじゃいかと思って作ったのが
このスコーンの始まりです。

酒粕だけ入った、プレーンなスコーンもおいしいのですが
これは、絶対チーズやスパイスと合うな!と思い、再度色々試作。
カレー味なども試したりしましたよ。(これも美味しかった!)
想像通り、チーズとの相性は抜群で
とてもおいしいスコーンができました。

食べる時にトーストすることで
表面がカリッと、中はふんわりな食感にもなるし
チーズがほんのり溶けて、そして何よりほわっと酒粕のいい香りが。
酒粕好きな人はちょっと物足りないかも?くらいの酒粕感なので、慣れない方でもきっと大丈夫。

本に載せたのはかぼちゃのケーキとこのスコーン、2品だけでしたが
もっともっと、酒粕使いが上手くなりたい!(甘酒も)と
本が完成した後も、私の好奇心は止まりません。
レシピ本もいくつか買ったし、もっといろんな使い方を勉強したいと思っています。


最後に

この2、3年
たびたび福岡へ足を運び
各地の道の駅を巡ったり、食材を買ってきては料理してみたりしましたが

福岡は、広い!

そしてひとつの県でこんなにも違うの?というくらい
地域によってそれぞれの特徴があるんだと感じます。
福岡ってラーメンともつ鍋と明太子のとこでしょ、と
それくらいのイメージかもしれませんが
そんなんではぜ〜んぜん語りきれない奥深さ、バラエティの豊かさ。

これはきっと、他の県でも同じことでしょうけど
こうやって、フォーカスしてみないと気がつかないことがたくさんあるんだな〜と。
そして気づいてないことが勿体無い!と思いながらこの本を作っていた1年でした。


こんな本を作った私でも
まだまだ知らない福岡のことの方が多く
こんな私が福岡の本なんて作ってすみません、、と恐縮する気持ちもあるんですが
でもこれはきっかけです。

もともと、私が頻繁に福岡へ帰るようになった理由のひとつに
地元の食材を、地元でもっと上手に使ったお菓子やお料理の教室ができたらいいのにな、という気持ちがありました。

今は、宅急便などで
どこへでも簡単に荷物が送れるけれど
やはり、食の基本はその土地でとれたものを、その土地で食べる、だと思います。
すごくこだわって栽培された有機野菜をわざわざ遠くから送ってもらって食べるより
近所の畑で採れたものを食べるのが自然だ、と。
もちろん、普段の私はそういうふうに生活できていません。
スーパーへ野菜を買いに行けば
他府県から運ばれてきたものがたくさん並んでいるし
“これ、北海道のおいしいとうもろこしだよ!“ と言われれば、飛びついて買います。

でも、帰省中に近隣の道の駅へ行くと
その地域で採れたものがたくさん並んでいて
毎回思います、私、この近くに住んでたらここに売ってるものだけで生活できるよなぁ〜って。
だって、十分過ぎるほどなんでも揃っているんです。
ずらずらと並ぶいちごやいちじく、ブルーベリーを見ては
ここだったらこんなにたくさんあるのに、普段は冷凍のを使っちゃってるな、、、と思ったり。

でもそのためには
その食材の、上手な使い方を知っていたい。
ワンパターンではなく、いろんな使い方を楽しみたい。
それでこの本を作りました。

もっと載せたかったもの、食材、たくさんありますが
それはまた、温めておきます。

こうして福岡を知って行くことで
実は他の県にも興味が湧いてきた私。
日本人なのに、行ったことのない日本がまだまだたくさんあります。
尽きない好奇心。
それが元気の源です!
早速本を購入してくださったみなさんからの
これ作ったよ、あれ作ったよという報告がとても嬉しいです。

ぜひお気に入りレシピを見つけてください。
そして福岡に行く機会があれば
うなぎの蒸籠蒸しやごぼ天うどん、鉄鍋餃子など、食べてみてください!