Portland log 12

日本も急に寒くなったようですが
こちらも連日、寒いです。

特に昨日は、冷たい雨が降っており
温かいコーヒーのカップを両手でギュッと握りたくなるような、
そんな1日でした。

Ivyも仕事があるので
毎日毎日一緒に出掛けているわけではなく
一人でぶらぶらしたりもしています。

だいたいこちらに来て3日目くらいで
道の名前やバスの路線図、バスの番号、ここに行きたいときはどう乗り換えればいいか、などを
だいたい思い出し
わりと、googleに頼らなくても動けています。

パンデミックを経て
街はとても治安が悪くなって、、、昔のポートランドとは違うよ、なんて話を
聞いたりもしていましたが
今のところ、そういうふうに感じることはありません。
もちろん、最低限気をつけないといけないことは気をつけて。
でもそれは以前だってそうでしたから。

外が暗い時に一人では出歩かない。(早朝、夕方以降はダメ)
携帯電話であからさまに道を探しているふうにしない。(行きたい場所はカフェなどで座っている時に事前に調べてある程度頭に入れる)
写真を撮りまくらない。(いかにも旅行者っぽい振る舞いはしない)
何かの前に立って記念撮影、しない。(これは一人の場合はできないので大丈夫)
できるだけしゃかしゃか歩く。(周りをキョロキョロ見ながら歩かない)
人前で現金や財布を出さない。(どこかでお会計する時のみ、さっと出す)
財布と携帯電話を入れたバッグは上着の内側。
バスに乗るときは出口の近くに乗る。(あまり奥の席に行かない)

いろいろと気を張っています。


今日はちょっと思い出話。

私が初めてポートランドに来たのは
もう12、3年前です。

当時まだ、前職で働いていて
社長にお願いして無理やり5日間の休みをもらい、3泊5日での訪問でした。

そんなタイトなスケジュールでも
どうしても行ってみたかったポートランド。
それまでに行ったことのあるアメリカは
ロサンゼルスやサンフランシスコ、ニューヨーク、だったと思います。

最初にポートランドに興味を持ったのは
友人の“ポートランドって街、あなた好きそう“ という言葉。
同じ時期に2人の人からそう言われ、へぇ〜そんな街があるんだ〜と認識しました。
そんなとき、タイミングよく
ポートランドが雑誌に取り上げられていて
そこに写っていたのは、とっても素敵な街並みやコーヒーショップ、ベーカリー、古着屋さん。
友人が“あなた、好きそうよ“ といった意味がわかりました。

ちょうどその頃、私は自分の人生についていろいろ考えている時期でもあり
仕事を辞めようと思っていました。

仕事を辞めてまずやりたいことは
長期でアメリカに行くこと、そう思っていたので
その場所をポートランドにしようか、、、と考え始め
だったらその前に、少しでもいいから行ってみたい、街の様子を肌で感じてみたい、と
思ったのでした。




3泊5日で行ってみて
確かに!私この街好きかも!という感覚がありました。

帰国後、半年後に仕事を辞めてここにまた来るぞと心が決まったんです。
何がしたいとかではなく
ただ、滞在してみたかった。
前職でもお菓子を焼いていたので(しかもありがたいことに前職の社長は私の好きに焼かせてくれたので、いつも自分が作りたいものを作らせてもらえるという恵まれた職場でした。)
気の合う仲間と、とても楽しく働いていたし
このままずっとここに居たっていいな、と思ったりもしていましたが

一方で、心のどこかでは何か変化が必要だと思っていました。

そんな私の背中を押したのが
ポートランドだったというわけです。

仕事を辞めて自分で何をするのか、
またどこかで働かせてもらうのか、自分の店を作るのか、作るとしたらどこに作るのか、
どんなふうにやっていくのか、
全然決まっていないしイメージも湧いていないのに
とにかく、辞めてポートランドに行くということだけは
しっかりと自分の意思が固まっていました。
その後どうするかは、向こうに行って考えよ、と
わりとお気楽な感じで。笑

もちろんその頃は
まだLola とも Ivy とも知り合っていませんし
誰も知っている人のいないアメリカの街に一人で行くなんて
ドキドキ、ドキドキ。本当に緊張していたと思うんですが
でも当時は、それを余裕で超えるくらいのワクワクでいっぱいだったんだと思います。若かったしね!笑

結局、ポートランドに5週間、その後シアトルに移動して3週間、合計2ヶ月の
アメリカ一人旅が始まりました。






その2ヶ月の内容までここに書くと
えらい長いブログになっちゃうのでここでは書きませんが、笑

結果的に
その後こうして何度も訪れる街になったポートランド。
私にとっては特別な街です。

たったこの数日で
街を歩きながら、いろんな気持ちが蘇ってくるし
こうして“いつでもおいで〜“と言ってくれるようなお友達ができたことにも感謝だな〜と。

焼き菓子の仕事をしているのに
11月、12月という焼き菓子シーズンにぽっかりと休みを取るなんて
なんか余裕ね〜みたいに思われるかもしれませんが、笑
もちろん、余裕なんてことはなく
時々我に返って、私、こんなことしてて大丈夫かな、、、と
不安になったりもします。笑
その分、その前後で働かんと。

でも、こういう経験があってこそ
私にしかできないKathy’s Kitchen というベイキングスタジオが、やっていけるんだと思っています。

ずっと長く来てくださっている方には飽きられないようにしたいし
初めてに方のは“いいお菓子教室見つけた!“ と思ってもらいたい。
Kathy’s Kitchen も12年目となり
これからどういうふうにやっていけばいいか、やっていきたいか、いろんな思いが渦巻いています。

こんなこと考えるなんて
年の瀬ですね〜〜笑