アメリカンケーキというジャンル

私が作っているお菓子ややっている仕事のことを話す時
短く、と思うと使ってしまう言葉が
“アメリカンケーキ“や“アメリカンベイキング” です。

何の仕事してるの?と聞かれると
“アメリカンベイキングの教室してます“とか
“アメリカンケーキ作ってます“ とかになっちゃうのですが

アメリカンケーキって何ぞや、、?と
時々考えてしまいます。

みなさんがアメリカンケーキ、と聞いてイメージする、いわゆるアメリカっぽいお菓子は
何でしょうね。
アップルパイ、キャロットケーキ、ねっちりしたチョコチップクッキー、カラフルなデコレーションケーキ
ニューヨークチーズケーキ、濃厚なブラウニー、スコーン、マフィン、とかですかね〜。

アメリカで、誰もが子どもの頃から慣れ親しんでいるようなお菓子。
おばあちゃんの代から家族に伝わるレシピがあったり
アメリカンベイキングのレシピ本を開くと必ず載っていたりするものが
定番で、アメリカンケーキとして
認識されているんでしょうね。
確かに20代のころなど、私もそういう認識を持って、お菓子を作る仕事をしていました。




じゃあ、自分が作りたいお菓子、レッスンで教えたいお菓子は
アメリカンケーキなのかな、と考えると
ちょっと違う気もするな、、、なんて思ったりもします。
別にそんなジャンル分けとかどうでもいいっちゃあどうでもいいんですが、笑
そんなふうに感じているのはなんでかな、と
その気持ちの元を辿っていくと

本場の味に近いものを作りたい、という気持ちが
年々薄れているからかな〜と思います。

“本場の味” というのは
褒め言葉としてよく使われますね〜
タイ料理やベトナム料理屋さんでも“本場の味!” と書かれると
きっとおいしいんだろうと食べたくなるし
“本場のナポリピッツァ“ と言われればそそられるし
“本場のタコス“ とか言われると、それもまた食べたいな〜って思いますもんね。

アメリカに行った時
向こうで食べるものも、歳とともに変わってきました。
20代の頃は、とにかくいろんなベーカリーやコーヒーショップで
“いわゆる”なお菓子たちをたくさん食べて、それこそ本場の味、というのを自分の舌で感じることが大事だと
思っていたし、それが楽しかったようにも思います。

でも同時に
だんだん、私の中に芽生え始めたのが“罪悪感”でもありました。

これ、おいしいけど
さすがにこんなん毎日食べてたらやばいよなぁ、、、(身体によくないよなぁという意味)と
思い始めるわけです。笑
自分で散々レシピを見ては作ったりもするわけですから
どれだけの砂糖が入っているのかも知っているし。

じゃあ砂糖を減らして作ればいいじゃん、と思うと
ただ甘さが控えめになるだけではなく食感も変わってしまい
思っているようなお菓子にはならなかったりするんです。
そんな気持ちを抱え始めた30代の私は
考えるんですね〜
自分がそう感じているお菓子を“みなさん、ぜひ作ってくださいね〜!“と教えるって
おかしいよなぁって。
でもだからと言ってどうすればいいんだろう?
私が若い頃からずっと作ってきたのはアメリカンケーキだし
アメリカンケーキの教室です、って言うからには
みなさんがイメージしているものを教える教室じゃなきゃ、、と。

言葉のイメージと自分が作りたい、教えたいものとのギャップを感じていたんですが
ここ数年で、急速にインスタグラムというものがメジャーになり
普段自分が作っているお菓子がどんなものか、とか
教室でこんなの教えてます、とか
より簡単に、いろんな人の目に届くようになりました。
Kathy’s Kitchenを始めたのは2013年ですが
あの頃とは確実に違うな、と感じます。

、、、ってこんなふうに書くと
逆に、アメリカンケーキはよくない、みたいなことをお伝えしているような感じになってしまい
それもまた
違うんです!そう言いたいわけじゃないんです!という
気持ちなんですが、、、
とにかく、教えることを仕事にしてからは徐々に
アメリカンケーキ、という言葉のイメージに沿ったものを、という感覚はなくなり
自分だったらこんなお菓子を家で作りたいな、こんなお菓子を食べたいな、と思うものを。

その気持ちが、年々強くなっていると感じます。

みなさんが同じように感じているかどうかはわかりません。笑
だって、20代の頃の私はそんなふうに思っていなかったわけですから
今20代の人は、共感しないかもしれないし
私より年上の人は、私がまだ到達していない違う考えを持っているのかもしれない。

ちょうど昨日、約2年ぶりに会う友達と話をしていて

彼女たちと仲良くなったのは、私が30代前半の頃でしたが
あの頃と今で、欲するものが全然変わったよね、という話になりました。

食べたいもの、行きたいお店、買いたいもの、欲しいもの、休みの日にしたいこと。
10年以上経って、ずいぶん変わったね〜と。

話していると
変わって当たり前だな〜みんなそうなんだな〜と
ちょっと安心しました。

あれ、今回のブログ
けっきょく私は何が書きたかったんだろう、、、笑




そんな私ですが
来月レッスンするモーニングマフィンは
“アメリカでは定番のマフィンですよ“ とご紹介しています。笑
こんなブログを書いておきながら、アメリカっぽいマフィンのレッスンしますって、笑

確かに定番ではありますが
私がアメリカで食べたことのあるマフィンは、だいたいがすごく甘い。
こりゃあブラックコーヒーがいるわ、という甘さのものが多く(私基準)(もちろん、そうじゃないお店もあります)
レシピを色々見ていても、やはり使う砂糖の量が多いんです。
いくら他の材料がヘルシーなものでも(全粒粉使ってます、とか野菜果物ナッツがたっぷりです、とか)
こんだけ砂糖入れたらヘルシーとは言えんよなぁ、、、と
ツッコミを入れたくなるようなレシピも多いので
その辺は、私好みに調整をしています。

どんなモーニングマフィンに出会えるか、お楽しみに。