私がポートランドの宿泊先に到着したのは、夕方4時ごろで
以前も書いたように、
"その時間はたぶんいないから、鍵あけて入ってね~!"だったので
知らないおうちに、ひとりポツン。
まぁ、とりあえず荷物の整理でもするか、とガザゴソやっていると
程なくして、ガチャガチャと鍵を開ける音、
とともに、元気な犬の吠える声。Emilyが帰ってきました。
ご挨拶しなきゃ。
日本から持参していた、お土産のクッキー(もちろん、自作~)を手に
はじめまして!
するとEmilyは
”今日は今からディナーの試作をするから、一緒に食べない?"と。
ディナーの試作…?
分厚いレシピ本を見ながら料理をするEmily。
この数日後に、友人や仕事関係者30人近くを招いてのディナーパーティーを
この自宅で開くらしく、
その時に出す料理の試作、だったのです。
特にやることもなかったので、
”作ってるとこ見てていい?"と聞くと
"いいわよ~"と。
↑ オーブンに入れる前のパイ
料理をしているEmilyを見ていて
すごく”アメリカっぽいなー"と思ったことがあって。
日本人って、必要な材料を最初に全部台の上に出して、
準備してから料理を始めませんか?
まぁ、人によるとも思うんですが、テレビの料理番組なんか、そうですよね~
すべての材料が、小さなボウルに全部計ってあって、刻んであって、
先の先まで読んで、準備されています。
そして、材料や手順はアシスタントの人が横から説明してくれる。
シェフや料理研究家、らしき人は
それをちょっと炒めたり、盛ったりするだけ。
はっきり言って、ライブ感ゼロ、ツマンナイ! 笑
→ 焼き上がり~
でも、アメリカの料理番組って、だいたい、ひとりでやってます。(よね?)
”Hi!!”から始まって、
その人が自分で全部説明しながら、進めていくのです。
材料も、あらかじめ計ってあったリせず、
"ええ~っと、牛乳が1カップね"なーんて言いながら
冷蔵庫から牛乳取り出す。
”玉ねぎは、みじん切りね”なーんて言いながら、包丁とまな板を取り出し、
玉ねぎの皮をむいてその場でみじん切りする。
そんなかんじ。
わたしは、初めてアメリカのテレビでこういう料理番組を見た時
なんてすばらしいんだ!!と
えらく感動したのを今でも覚えています。
Emilyの料理もまさにそんな感じで進められていて
本を読みながら
"マスタード大さじ1ね~"
と言いながら冷蔵庫からだしたり、
"ええっと、ニンニクね~"と言いながら
ニンニクが盛られているカゴからひとつ取って、皮むいたり。
あらかじめ、レシピを読んで頭にいれておいて、なんてこと、しないの!
話は戻りますが、
私はアメリカでそういう"ひとりでなんでもやりながら進めていく"スタイルの
料理番組を見ると
なんで日本ってこうじゃないんだろう~
こっちのスタイルのほうが、過程とか分かりやすいし、
なんか一緒になって作ってるライブ感があっていいのに~と
いつも思います。
わたしは、自分のケーキ教室も、ひとりでやります。
ひとりしかいないから、ではなく
アメリカの番組のように、なんでもひとりでやるほうが、好きだから!
アシスタントがいて
使い終わったボウルを、さりげなく下げてくれる、なんて
必要ない!!笑
だって、おうちでやってるときに
さりげなくボウル下げてくれるアシスタントなんて、いないですから!
いつか、ぜ~んぶひとりで
計りながら、説明しながら、作りながら進行していくような
アメリカンケーキの番組を
日本でやっちゃおうかしら、笑
さあ、もうすぐ完成~
この日Emilyが作ってくれたのは
オニオンスープ、
ビーフとマッシュルームのパイ、
リンゴとセロリのサラダ。
オニオンスープは、じっくり炒めた玉ねぎと、
びっくりしたのは、アップルジュースを入れること!
甘さが増して、スープというより、ソースみたいで、
パンがススム、ススム!
サラダも、ただ切ってあえただけのように見えるけど、
フルーツやナッツ、チーズをうまいこと組み合わせて作っている所が
また、アメリカらしいな~と思いました。
ドレッシングももちろん、手づくり。
ポートランドに着いて初めての食事が
Emilyの手づくりディナーで、
ご飯を食べながら、おすすめのお店などをいろいろ教えてくれました。
なんだかとてもうれしくて、暖かい気持ちになり、
翌日からのポートランドでの生活にウキウキしながら
ベッドに入ったのでした。